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ブリュッセル便りBACK NUMBER/11〜15

VOL 15 2000年モバイルライフ計画に向けて◆癒し系ミュージックで心身充電!
VOL 14 Y2Kを心配しつつ◆ミレニアムの幕開けを日本で迎える
VOL 13 真冬のブリュッセルで生ガキを美味礼賛◆2000年こそホームページ開設?!を誓う
VOL 12 一時帰国に突然の出来事?!◆別れの秋を感じたブリュッセル
VOL 11 リサイタルのために1年ぶりに帰国◆やっぱり日本は暑かった!
   
VOL11 リサイタルのために1年ぶりに帰国 やっぱり日本は暑かった!
 

10月6日(水曜日)

今回は、ブリュッセル便りを日本で送るという事になりました。1年振りに,懐かしい日本に降り立ったら、まあその暑い事にビックリです。先月号でお話したスペインも暑かったのですが、湿気がないのでサラッとしていましたし、ブリュッセルはセーターがいるくらいでしたから、時差ボケと暑さ負けで2,3日はグッタリ。でも、1年ぶりに、ディジットを訪ねましたら、嬉野統轄編集長をはじめ、みなさんお元気そうで、なによりでした。インターネットアイドル雑誌「iCupid」も創刊されたとのこと、インターネットもさまざまな層に広がっていくのだなぁと思いました。

今回の帰国では、楽器とパソコン,大きな手荷物とスーツケースという大所帯で戻ってきました。そのせいか、すっかり肩が凝ってしまい、生まれて初めて,指圧と気功をしてもらいました。初めてなので、指圧は少しにしましょうということで、気功を主にしてもらいました。手をかざしてもらうと、ポカポカと温かくなったような感じがして、肩もラクになったような気がしました。
これに懲りて、今度ブリュッセルに戻るときに軽量PCを持って帰りたいのですが、どんな機種がよいかと思案しているところです。電気製品の豊富さは,日本が世界に誇れるものだと思います。ブリュッセルの友人も先日帰国したときに秋葉原に行ったとのことで,そのスゴさを熱く語っていました。私も今から行くのが楽しみです。

AOL特派員として(?)ブリュッセル便りを書き始めて1年、メールも日本、アメリカ、オーストリア等、各国に居る友人と交換しているので、だいぶブラインドタッチも上達しました。自分の行動やまわりの事を観察したり、思索したりするようになったのも、ブリュッセル便りを書いているおかげだと思います。良い機会を与えて下さった,AOLとHOME PCに感謝!です。手紙を書くより、メールを出す方がずっと多くなるのは、やはり速い、便利、時を選ばないと3拍子そろっているからですね。あまり連絡を取ってなかった友達との交流も、復活したりします。1年前の私には未知の領域だったパソコンとインターネットですが、今では,なくてはならないものとなっています。
友人の中でも急速に利用者が増えていますから、メール友達の輪は広がる一方。今後は、きっともっともっと,普及していくのでしょうね。

ところで、2000年問題は日本でも関心の高い事柄だと思いますが、何が起こるのでしょうか?何も起こらないかもしれないし、私のような初心者ユーザーには、あまり関係のない事なのかも知れませが…。とりあえず,「年末年始は飛行機に乗るな」という話しをよく聞きますが、どうなのでしょうか。私は10月16日のリサイタルが終わるとブリュッセルに戻りますが、年末年始のサイトウ・キネン・オーケストラに参加するため、12月に帰ってきて,1月にまたベルギーへ行くのですが、大丈夫かなちょっと心配。管制塔のコンピューターはY2Kに対応しているのでしょうかね。どなたか、熟知している方、教えて下さい。
では、また。

礒 絵里子

 

VOL12 一時帰国に突然の出来事?!別れの秋を感じたブリュッセル
 

11月10日(水曜日)

リサイタルには、嬉野統轄編集長を始め,たくさんのディジットの方々がいらして下さり嬉しかったです。改めてSpecial thanks to Digit!12月号にさっそく写真を載せてくださったのですね。今回の帰国はリサイタルが主な目的だったので、NHK−FMの録音があるなど、結構忙しく過ぎてしまいました。秋葉原に行く暇も無く、念願の小型パソコンを買えずじまい。結局,エッチラオッチラと重たいパソコンを楽器と共に抱えて、ブリュッセルに戻ってきました。12月に帰国した時には,もう少し時間に余裕がありそうなので、絶対買おうと意気込んでいます。

日本に久々に帰ってみたら、遠距離恋愛していたはずの彼の様子がなに やらちょっとおかしいぞ!?そう、秋は、別れの季節でもあったのです。
人は別れの時に恋愛という盲目から解放され、その相手の人格が分かるもの なのだと、このとき初めて知りました。
しばらくしてブリュッセルに戻ると、街はすっかり深い秋色に染まってました。 出会いがあれば、別離もある。これが、人生の妙ですね。出会いがあれば、別離も あるってことは、別れがあるから、新しい出会いもある。そうか!納得!次ぎは 出会いの番というわけですね。もっともっと、良い出会いを気長に待ちましょう! 私には音楽という不変の恋人もいることだし。

さて、ブリュッセルは日本よりさらに寒いのに、街中でTシャツ一枚で闊歩している人が多いのは驚きです。私はコートを着て、「うっ、さむ」って言っているのに。皮膚の厚さが違うのでしょうか。
最近近所に出来た,ティールームで、今はやりの飲み物「ドラゴンイベール(冬のドラゴン)」を飲みつつ街行く人を観察すると、10人中3人がTシャツ、4人がセーター、2人がジャケット、1人がコートを着ている事が判明しました。こんな統計を取って何になるのかと思う人もいるでしょうが、人は,時々意味の無い事に意味を見出すものなのです。
なにか良い事はないかと見渡してみると、最近、ブリュッセルの携帯電話の普及率が,飛躍的に向上しているのを発見。3年前は,持っている人は非常に少なく、これ見よがしに使っていたのですが、今や、日本と同じに使っています。まだ、マナーが確立されてないので、何処でもあたり構わずって感じ。その内,日本のようにいろいろルールが作られていくことになるのでしょう。

今回の日本帰国で,再び携帯電話を買いました。これが、iモードとやらの優れもの・・…らしいのですが、まだ全然使わないうちにヨーロッパに戻ってきたので、次の帰国時には使いこなせるようになっていようと思っています。メールもできることに加え軽量で,画面が大きく使いやすそう。コンサートの仕事関係の方々とも,殆どメールでやり取りできるので、1年前にディジットとAOLのヘルプでパソコンを始めて良かったと,つくづく思う今日この頃です。
ではまた。

礒 絵里子

 

VOL13 真冬のブリュッセルで生ガキを美味礼賛 2000年こそホームページ開設?!を誓う
 

12月3日(金曜日)

ブリュッセルはすっかり真冬に突入しました。家の中は温かいのですが、外は寒くって死にそうです。でも、いよいよカキの季節に入ったと思うととても嬉しいです。
私の家から音楽院に行く途中にある、ムール貝の美味しいお店の事は,確か第1回目に書いたと思いますが、ここは牡蠣も抜群!御店の前にエカイエ(牡蠣や貝類をを開くエキスパート)のおじさんが、いつも寒空の下に待機していて、一晩中御客様の注文に応じて貝類をさばいているのです。少し懐が温かい時は、このレストラン"ルイーズ・ヴィラージュ"でRoyal Platterを注文します。Royal Platterはうやうやしく氷の上に盛られた生の牡蠣,ムール、アサリ、それに海老といった海の幸が満載。ワインはシャブリかムスカデが合ようです。

ある晩通りすがりに、このエカイエのおじサンにアンポルテ、つまりテイクアウトはできる?と聞いたら、ビアンスュール、つまりもちろん!との答えでしたので、喜び勇んで注文しました。お店で食べるより格段に安く、又カキだけ注文したのにもかかわらず、ムールや海老もおまけしてくれて、とっても幸せでした。生のムールというのもなかなかいけます。おじさんの殻の開け方の見事なことといったらないので、いつも見とれてしまいます。前に日本にいる時に、エカイエについての番組があったのを見ました。このエカイエ世界一を競うようなコンテストがあったりして、一番きれいに早く開ける事が出来た人が優勝するのですが、なぜか優秀なエカイエはスイスの山の中のとある村から、フランスへ修行に来た人が多いのだそうです。
AOLで牡蠣を検索したところ、日本にも美味しい生牡蠣を食べさせるレストランが沢山あるようなので、帰国したとき行ってみようと思っています。日本の牡蠣は厚みがあって,ボッテリしていますが、ブリュターニュ産のブロン種などは平で形がたいら貝を小さくしたような感じです。日本の牡蠣と同じ形のクレール種も日本のよりはずっと薄いので、軽くて幾らでも食べられそうな感じなのです。かって,フランス国王アンリ4世は20ダースの生ガキを食べ、文豪でグルメだったバルザックもメイン料理の前に、いつも数ダースの生ガキを食べていたそうですが、日本の牡蠣だったらどうだったのでしょうか。また、ついつい食べ物の話になってしまいました。

このお便りが掲載される頃は,私は日本にいてサイトウキネン・オーケストラでマーラーの「復活」を小澤征爾先生の指揮で弾いているはずです。いつもは,夏の終わりから9月にかけて、松本で行われるのですが、1999年から2000年にかけて特別演奏会が松本と東京であるのです。毎年、年が明けるときには,今年はどんな年にしたいとか目標を持って新年を迎えますが、来年の目標はホームページ開設?!音楽家もホームページを持っている方々がとても増えて、私もよくブラウズして楽しんでいます。パソコンを始めるきっかけを作って下さった本誌でお馴染みの木村太郎氏が、前に"ホームページ作成に挑戦!"で素適なホームページ開設されたので、私もタロウの部屋に負けない、絵里子の部屋を作成しようと志を立てていますが、さてどうなりますか…。AOLの簡単ホームページ・パーソナルパブリッシャーで表紙だけは前に作ったのですが、なかなか時間が取れずにその先が進まず、これだけでは公開するわけにもいきませんしねー。色々リンク集も付けて充実した内容でと思うと来年出来るのかなぁとちょっと心配です。早く、私のホームページのURLは下記のとおりです。ってこの欄にに書きたいものですね。
皆様にとって、また私にとっても、2000年が良い年でありますように!

礒 絵里

 

VOL14 Y2Kを心配しつつ ミレニアムの幕開けを日本で迎える
 

12月25日(土曜日)

みなさま、明けましておめでとうございます。いよいよ2000年!じつはこのお便りは、まだ2000年に入る前に書いていますが、私は明日から、サイトウ・キネン・オーケストラに参加するために松本に向かいます。そして31日のコンサートを終えたあと、すぐに2日からの東京公演のためにバスで東京に戻ります。だから、ミレニアムの幕開けは、帰京のバスの中で迎えることになりそうです。Y2Kはなにごともなく過ぎていくでしょうか?信号は機能するの?ちょっとドキドキ・・…。

2000年は、ますますインターネットの時代に突入する模様ですが、私も、いつでもどこでも携帯できるパソコンを、新年に買う予定です。12月初旬に帰国してから、コンサートが続いて、まだワールドフェイマス秋葉原に行くひまがないのです。ところがなぜか、日本での忘年会には参加しています。ベルギー留学組の、すでに日本に帰国した人、一時帰国している人が総勢7人集まって盛り上がりました。今この7人中5人がメールをやっています。昨年、私がパソコンを始めてから、その輪が広がり、この勢いは2000年には100パーセントにより近くなるだろうと思われます。留学生にとっては、電話代を鑑み、メールが普及する率が多いのではないかと思いますが、一般の家庭でも急速に増加していくことでしょう。
私の実家でも新聞を取らなくなり、AOLでニュースからテレビ番組表まで、インターネットのお世話になっています。前回の帰国時に買った、メールが送れるIモードの携帯電話も、なかなか便利ですね.世の中どこまで便利になるのでしょうか。
それにしても、2000年を迎えようとしている私たちが住む地球が誕生して50億年。人類の歴史の中で、ここ半世紀ほどの進歩のしかたは驚愕に値するような気がします。祖母などは、「パソコンとかなんだかわけがわからなくて、世の中から置いていかれそうな気がするわ」と嘆いていますが、私たちの親の世代が電話やテレビをもつようになったのが、小学生の頃だったそうですから、隔世の感があるのも理解できます。これからは、もっともっと簡単にわかりやすく、誰もがインターネットを楽しめるという時代に突入していくのでしょう。電話が老人でもなんの抵抗もなく使えるように、コンピューターもお年寄りにも簡単にできるという環境が必要になってくるのではないでしょうか。

いつもはブリュッセルからクリスマスカードを出しているのですが、今回は日本で年越しをするので、年賀状をパソコンで作りました。まずは住所録作りから始めましたが、全部入力するのに時間がかかり、途中でめげそうになりました.でもこれからは一生活用できる!と思い、がんばりました。前にも書きましたが、再び自分で自分をほめてあげたくなりました(ほかに誰もほめてくれないので…・・)
今回スーパーにチーズを買いに行ったら、ブリュッセルでいつも買っているバターとチーズが売られていたのですが、なんと向こうの4倍近い値段でびっくりしました。よっぽどバター&チーズの密輸業に手を出そうかと思うほとでした。結局「もったいないかなー」と思い、買わずに帰ってきました。日本にいるときには和食ですね。とくにこの寒い時季は、体の温まる和食が最高!
次回はベルギーに戻り、またブリュッセルからお便りします。それではまた。

礒 絵里子

 

VOL15 2000年モバイルライフ計画に向けて 癒し系ミュージックで心身充電!
 

2月1日(火曜日)

Y2Kも何事も無く、無事に2000年がスタートしました。信号は大丈夫?とか、流通は支障をきたさないの?などの心配はすべて杞憂に終わりました。オーヴァーに心配しすぎたのではと言う批判もあるようですが、それだけケアをしたからこその無事かもしれませんね。

さて、日本にいる間にノートパソコンを買うぞ宣言をしたのですが、結局、今回はまたいつもの重いパソコンを楽器とともに抱えて、ブリュッセルに戻ってくることになってしまいました。秋葉原に2回足を運んだのですが、あまりにもいろいろありすぎて、目移りして決めかね、もう少しよく研究してからにと先送りしてしまいました。一人暮しを始めてから、何か買い物をするのに、以前よりずっと慎重になりました。無駄遣いしてはいけないという理性が働くようになったのです。1月中ブリュッセルはSaleの時期で洋服、雑貨などかなり良いものが安くなっているので、音楽院からの帰り道のブティック街を素通りするのは、なかなか難しいのですが。努めて見ないようにしていました。とにかく、私のモバイルライフ計画はちょっと遅れ、2月末にまた演奏会のため帰国しますので、その折に購入するつもりです。ちなみに演奏会は2月24日に虎ノ門のJTアートホールで室内楽、3月10日に府中の森芸術劇場でリサイタルがあります。以上宣伝でした。

ヨーロッパは10℃前後と意外に気温はあるのですが、このところ風が強く体感温度はとても寒く感じます。その中を、ちょっと面白い音楽会に行って来ました。ブリュッセルにはパレ・デ・ボーザール、モネ劇場、音楽院のホールなど、クラシックの為の由緒在る、アールヌーボーの素適な劇場があるのですが、私がよく行くこういったホールとはちょっと趣の異なったホール、アンシェンヌ・ベルジックというライブのホールで、世界的に有名な、教授こと坂本龍一さんのライブがあったのです。すごい盛況でした。こちらでも、彼は人気があるのですね。北野武監督もベルギーで人気がありますが、日本人の活躍はやはり嬉しいものです。チケットを買ってなかったので、早めに行ってダフ屋からでも買おうかと思っていたのですが、正規の値段で売ってくれるよい人がいて、助かりました。ちなみに値段は800BF,だいたい2300円ぐらいでしょうか。

最初はCDやレコードを組み合わせていって、中国語やドイツ語のメッセージが流れるなか、教授がお皿を回したりして、???って感じだったのですが、その後ピアノソロで彼の作った曲を2時間弾きっぱなしでした。「ラストエンペラー」とかやはり有名な曲には拍手が多く、会場全体揺れている雰囲気でとても良かったです。私の好きな「戦場のメリークリスマス」とかやらないのねぇと思っていたら、それと「ウラBTTB」など有名どころは、アンコールでちゃんとやってくれました。戦メリは特に受けまくりでした。やはりヒット曲があると強いですね。いつものクラシックとはちょっと違うノリだけど、なかなか楽しめた音楽会でした。「教授は芸大出身のテクノポップのパイオニア」とAOLで検索すると出てきますが、純粋のクラシックの演奏会も聴衆の皆様に楽しんでいただくということでは、同じなのでいろいろ勉強になりました。日本で演奏会が終わった後、ちょっとノンビリ羽を伸ばしすぎたツケが回ってきて、今、一日おきぐらいにオイストラフ先生のレッスンがあり、ウーン学生している、という気がします。新しく取り組む曲が多くて、フーフーいって大変ですが、心身ともに充実しています。しっかり充電して、日本での演奏会で、聴衆の皆様に楽しんで聴いて頂けるように、もうひと息踏ん張ってみますので、よろしかったら、ぜひ足を運んでください!と最後にも宣伝してみました。それではまた。
          
礒 絵里子